やっぱり……。  3.結ぶ雨

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「……さっきの話に戻るけど。  教えて、遥稀の好きな(ひと)」  松尾の唇と私の唇の距離は。  すぐに触れそうな間隔のまま。 「さっきも言ったけど、  好きな人なんていな……っ」  好きな人はいない。  そう言い切る前に。  松尾の唇に塞がれた。  激しい。  激しくて激しくて。  息が苦しくなる。  だけど。  やっぱり甘くて……。 「……悪い子だね、遥稀は。  まだ言わないなら、お仕置きだよ」  唇を離してそう言った後。  またすぐに唇を重ねた。  何度も何度も角度を変えて。  激しく深く唇を重ね続ける。 「可愛い、色っぽい」  苦しさのあまり。  うっかり声が漏れてしまえば。  そう言われて。  恥ずかしい。  そんな気持ちが、ぶわっと広がり、顔に熱が一気に集中する。 「顔真っ赤、すごく可愛い」  唇を重ねている間にも。  ほんの少しだけ唇を離し、そう言ってくる松尾。  恥ずかしい。  そして。  何よりも苦しい。  もう、限界……。
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