やっぱり……。  3.結ぶ雨

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「……とし」 「うん?」 「……さ……とし……」  言ってやった。 「嬉しい、遥稀」  松尾……聖志は嬉しそうにそう言って……。  再び唇を重ね合わせた。 「好きだ、遥稀」 「私も好き、聖志」  唇が離れる度に。  お互い『好き』の言葉を繰り返す。  今まで聖志に言うことができなかった『好き』という言葉。  それが。  今は何度も言っているから。  なんだか、不思議……。  私のことを『好き』と言う聖志の甘く色気を感じる声。  その声を聞くと。  身も心もとろけてしまう。 「……遥稀、声も可愛い。  もっと遥稀の可愛い声、聞きたい」  聖志にそう言われ。  ものすごく恥ずかしくなる。  そう言われても。  無意識のうちに出てしまっているから。  ……出そう……と思って出しているわけでは……。  ……⁉ 「ほんと可愛い、遥稀の声」  また無意識のうちだった。  だって……。  聖志の唇が。  私の首筋に触れて。  強く吸い付けるように。  何度も、何度も。  強弱をつけながら繰り返していく。  それが。  ものすごく刺激的で。  だけど……。  とても快感で……。 「……付いた」  そう感じていると。  聖志の唇が離れ。  そんなことを言っている。 「付いた……って……?」  何がだろう。
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