はっきり申し上げて、これは

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はっきり申し上げて、これは

「今回の件は、まずあなたによるテレビの不法投棄という違法行為が挙げられます。さらにその違法な行為によって、こちらのご家族に仕事を休まなきゃいけないほどのケガを負わせてしまった。  はっきり申し上げて、これは傷害罪、あるいは過失致傷罪にもなりうる犯罪行為なのですよ」  犯罪行為。弁護士の言葉に僕は激しく動揺する。たしかに弁護士のいうとおりだ。僕の違法な行為がこんな事態を招いたのだ。 「本来ならこの件は犯罪として警察の捜査が行われ、あなたは刑事犯罪人として裁判所に処罰を求められるべき問題なのです」 「それは申し訳ありません。僕としてはただ、テレビが壊れてカッっとなって、思わず海に捨てただけなんですが……」  僕の言葉をすかさず保険屋がさえぎる。 「その短絡的行為が、今回の悲劇を招いたんだ!」  僕は反論もできない。罪悪感と後悔が大きく膨らみ続ける。 「けれども、あなたを警察に犯罪者として突き出すのはさすがに忍びない。このご家族のみなさんは、そのような寛大な心を持って、ここに示談をするためにやって来たのです」  弁護士が冷静かつ柔らかな口調で僕にそう説明する。
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