ニーナ、孤児院を出ることを検討する

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ニーナ、孤児院を出ることを検討する

「この子を宜しく頼みます。名前はーー」 ◇◇◇◇◇  私はニーナ。ニーナ・フェルナ。孤児で洗礼名は無い。一般的には幼少に教会で洗礼を受けて洗礼名を頂く。だけど孤児には名字すら無い人も多い。引き取り先の名字を名乗るか、孤児院の名字を名乗るか選択できる。だけど私は生まれたとき(拾われたとき)から名字があったみたい。  孤児院は16歳で出なきゃいけない。だから来年には職を見つけなきゃ。孤児でもなれるのは冒険者、商人みたいに各地を旅するようなものだ。 「なあ、ニーナ、来年ここを出るんだろ?一緒に冒険者にならないか?パーティー組もうぜ!」   紹介が遅れたね。彼はエルス。私と同じ15歳。 「私以外にもいるでしょ。別の人にしないの?」 「ニーナだけなんだぞ?魔法の素質があってまともに使えるのは。」 私は魔法が使える。使えると言っても生活魔法と簡単な防御、治癒だけだが。 「だからなんなの?ここだと私だけ。ただそれだけ。ここ以外だとたくさんいるよ?」 「そうだけどさ、やっぱり知ってる人の方がいいじゃん。」 「私はソロがいい。パーティーなんて組まない。」 「そう言わずにさ……」 「エルス、ニーナが嫌だって言ってるんだからそこまでにしておきなさい。」 「マ、マザー、でも……」 「マザー、少し早いけど来月ここを出ます。冒険者になるために組合(ギルド)にいく。」 「そう、わかったわ。」 なんかマザーが少し寂しそうに見えたのは気のせい……だろう……おそらく。
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