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やっと周りが静かになり、「こんなに集めるなんて、魔力ダラダラと流さないでください」と呆れ顔の冬弥。
栞の社は無事とのことで、いつものご夫婦が参拝に来ている気配があったという。
「航平、俺カッコよかったろ?」
「あ、見てなかった」
「アホかお前はー!」
一旦下宿に戻ると、今度はみんなが並ばされ、冬弥のお説教。
しかも那智まで正座している。
「全くもう。皆さん暴れたかっただけでしょう?この辺でやるのはやめてください」
少しのお説教で終わってすぐ、今度は立たされ、那智から「煌輝、航平、雪翔」と次々名前を呼ばれ、金や銀にまでお年玉をくれる。
ポチ袋は破けるんじゃないかという分厚さ!
「あ、お前ずるいぞ!俺たちからもあるのに!」
今度は大国さんと八意さんに名前を呼ばれ、渡されたのはお守り。
「少しばかり俺の気が入ってる。八意と迦具土のもな。持っていたら変なものは近づいてこないはずだ」
「有難うございます!」
「私からは、翔平の家と下宿屋には天満堂新商品の鍋セットだ。お前たちには、この薬をやる」
開けたらダメ!との奏太の声の前に開けて、みんなが鼻を抑えたのは言うまでもない。
「これ、なんですかっ……」
「万病に効く薬だ。大怪我してもケロリと治るが、臭いはどうにもならなかった」
「あ、有難うございます……」
みんなからも元旦そうそう色んなものを貰って満足なのだが、下宿屋に残るこの臭い。
年明け早々また大掃除……
バレンタインは何事もありませんように!
(終)
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