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嵐のようなクリスマスが終わって、すぐに大掃除。
下宿屋の学生達はみんな帰省したので、厨房の大掃除。
「結構汚れてたんだね」
「仕方ありません。揚げ物も多いですから。それより那智と航平は遅いですねぇ」
「スーパーで喧嘩してたりして」
年末年始の買い出しを頼んだのはいいものの、もう二時間も経つのにまだ帰ってこない二人。
秋彪と玲兄弟は社の掃除だとかで、朝から冬弥と栞に「毎日しないから!」と怒られ、絶賛大掃除中……の筈。
「戻ってきましたー」
紫狐がしっぽをフリフリしながら迎えに行ったので大量に荷物が来るからと、先に冷蔵庫を掃除しておいたのだが、厨房に並べれた食料は、カニにエビに野菜……お鍋をしろと言わんばかりの食材が……
「那智、今年は雪翔と航平が年末から三日まで留守番なんですよ?うどんとお米頼みましたよね?」
「今、紫狐が運んでる。今夜は鍋にしてくれ」
「誰がカニを剥くんですか!めんどくさい!」
「自分でやる。あ、〆は雑炊で!」
「カニが食べたかったら、早く手伝ってください。はい、エプロン」
「このひまわり模様が嫌なんだが?」
「似合ってるから大丈夫だよ?」
「航平……」
「俺は自分の買ったから絶対に嫌だ」
みんなで拭き掃除をしていると、小さな箒で細かなところを掃除している煌輝と、手伝っているのか邪魔しているのか分からない翡翠。
「あのね、ひーちゃん、いちご貰うの」
「僕もいちご好き」
「お風呂のあと、トキトキする?」
「するよ」
ほんわかする会話なのだが、翡翠は全くと言っていいほど手伝っていない!
「ひーちゃん、お手伝いしたらいちごだよ?」
「やってる!」
最近生意気な翡翠に付き合える煌輝君には、後でジュースもあげようと決め、自分が出来るところをどんどんと掃除して行く。
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