1位作者やってます

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もともと、 コテコテの少女漫画が 好きだった。 「漫画じゃなくて ちゃんとした本を 読みなさい!」 って、口うるさく 言ってくる父さんの目を かいくぐって、 お小遣いで少女漫画を 買うのが毎月の楽しみで。 もはや本棚は少女漫画の 単行本だらけで、 まったく親の目を かいくぐれてないけど、 とにかく、 少女漫画が好きだ。 高校生の純愛ものは まじでこんな男いねぇかな って毎回思うし、 大人のオフィスラブは、 頼むからあたしの未来の 就職先にこんなイケメンが いますように、って今から 天を仰いで拝み倒したく なるし、 イケメンの吸血鬼とか、 イケメンの狼男が出てくる 話は、もう語彙力を失う レベルで尊い。 ドキドキ、キュンキュン、 ハラハラ、ハアハア、 リアルなんかじゃ体験 できないようなトキメキに どっぷりつかって、 え、なんで? どこの世界にいけば こんなイケメンに会えます? って読む度毎回思う。 でも、 そんな中で 時々してしまうのが、 「あたしだったら、 ここの展開こうするな」 っていう、勝手な妄想。 あたしだったら ここはもっとこうして ああして、って妄想して、 1人でニマニマ。 で、そうすると、 このムラムラ、ドキドキを どこかに吐き出したい、 溢れ出るこの愛を どうにかしたい、なんて 思うようになった。 吐き出すって言ったら、 形にするってことだから、 必然的にイラストに するとか漫画にするとか になるんだけど、 あたし画力がウンコだから まあ無理なわけで。 でも脳内のイチャイチャを 目に見える形にしたくて、 で、 たどりついたのが 携帯小説。 これだったら、 絵は描かなくていいし、 スマホひとつで、 思い立った時に書けるし、 ちょうどいいんじゃね? って思ってさっそく 処女作、 『君に、はなまる。』 を執筆。 これは、 真面目なヒロインが 女の子に超人気の ヤンキー達(当然もれなく 全員イケメン)にお勉強を 教えることになっちゃった って話なんだけど、 新着オススメに選ばれて、 あれよあれよという間に ランキングTOP10入りを 果たしていた。 最高順位は、2位。 1位になりたかったけど、 「ひなた」っていう 古参の作者が幅きかせてて どーにもこーにも1位に なれなかった。 いやあの、本当に。 古参の作者って抜かすの 大変だから。 昔からのファンを ぞろぞろ引き連れてて、 その人たちが作者名だけで こぞって栞を挟むから、 必然的に順位が上になる。 これだと、 本当にちゃんと 面白い作品があるのに、 それが埋もれる原因に なりかねない。 その「ひなた」って 作者の作品、ちょっと 読んだけど、 あたしは、うん、 合わなかった。栞外した。 とにかく、新規の 作者にとって、 古参の作者はかなり鬼門。
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