秘密の花園

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秘密の花園

  胸が高鳴る。 息が詰まる。 汗が頬を伝う。 早くここから、逃げなければ。 迷路のような花園を走る。   「待ちなさい!」 「ひっ!」 後ろを振り向くと、数名の屈強な男達が細道を追ってくるのが見える。 「はぁ、はぁっ」 白い石畳につまづく。 「うわっ!」 「5」 「4」 「3」 「2」 「1」 パン!パン! クラッカーが鳴り響いた。 晴れた空に目の眩む花火が上がり、 体を拳で殴られたような振動が伝わる。 「ハッピーニューイヤーー!」 「2021年がやって来ました! 皆さん、今年もどうぞよろしくお願いいたします!では、新年を祝して…カンパー…」 ブチ ーーー暗転。 一旦ストップ。 突然で申し訳ないが、少し俺の話を聞いてほしい。 どうやってごく普通で退屈で平穏だった俺の人生が最低最悪の地獄の生活にまで急降下したのか。   どうやって俺が、あの悪魔と出会ってしまったのか。
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