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第3話 大奥の罠
ええい、なんと憎らしい女じゃ
どうされました、大奥様
殿に色気を使って私達を蹴落とそうとしている
なんと
みなの者の鈴は我々の敵じゃ
わかったか
はい、大奥様
鈴を呼べ
はい
いかがなされたでしょうか
吸い物に虫が入っておる
どう、責任をとるべきだ
申し訳ありません
申し訳ありませんじゃすまないぞ
どうした、朝から騒がしいぞ
殿
鈴が虫をいれた吸い物を持ってきたのであります
それは、たまたま入ったのではないか
いえ、吸い物ですからふたがしてあります
たまたまということはありません
大奥の私にこのような振る舞いをしたのですから打ち首にして下さい
おい、世話係、吸い物を取り換えてやれ
殿
それはひどいです
大奥である私とこの小娘とどちらを取るのですか
どちらも取る
いいかそれで
仕方ありませぬ
殿がそう言われば
お殿様、ありがとうございました
おい、鈴を城からなんとかして追い出すのじゃ
はい
鈴、ここでの生活は辛くないか
いえ、母も治療していただき
お殿様から優しくしていただいているだけで幸せです
大奥たちと上手くいかないのではないか
いえ、その様なことはありません
困ったことがあったら何でも言いなさい
ありがとうございます
それから、私のことを信長様と呼びなさい
いえ、恐れ多いことでございます
そのかわり、二人だけの時だぞ
はい
大奥様、よい考えがあります
なんだ
鈴を殺してしまうのです
どうやって
お茶会の時に鈴のお茶に毒を入れるのでございます
なるほど、いい考えだな
お茶会は明後日か毒はどうする
今日、さっそく薬屋で手に入れて参ります
ふふふふ
これで殿も私のところに戻ってくる
お茶会の当日
毒を入れる準備はしたか
はい、大奥様きちんと確認しましたから大丈夫です
よし、殿の近くに座るだろうから
殿もびっくりするだろう
始まったな
よし、お茶が来たぞ
鈴、こちらに来なさい
いえ、このような私が殿の近くに行くのは恐れ多いです
いいから
参れ
はい
殿
お茶をどうぞ
鈴のところにも来たぞ少し濃いのではないか
大丈夫です
じゃあ、代わりに私が飲みましょう
濃いめのお茶が好きですから
次郎太すまないな
大奥様、大変なことに
なんだと
よし、皆の者飲もうではないか
はい
うああああ
どうしたのじゃ
次郎太
名医の左衛門を呼べ
は
これは毒薬ですな
なぜ、毒薬が
誰かが入れたとしか考えられないか
そうですな、殿
誰じゃ
お茶を作った者を全て呼んで調べろ
は
奥方の佐江が入れたようです
他はおりませぬ
辰之進、そうか
佐江
なぜ毒を入れたのじゃ
申し訳ありません
どうして黙っている
答えるのじゃ
殿
落ち着いてください
辰之進、黙っておれ
実は大奥が
違います
佐江が勝手に入れたのです
なぜ大奥が知っておる
実は大奥様と計画していれました
信長様、違います
勝手に佐江が入れたのです
いえ、大奥様から指示されて入れました
まて、お前達は鈴を殺そうとしたのだな
いえ、違います
お茶がすり替わったではないか
えええい
二人とも処罰しろ
は
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