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第4話 天の川
鈴、寂しいことなのだが
しばらくの間、離れ離れにならければいけなくなった
どうしてでしょうか
戦が始まるのだ
すぐ勝って帰って来る
それまで待っていてくれ
大丈夫でしょうか
大丈夫じゃ
鈴
すぐ帰ってくる
外を散歩してみましょう
小さい頃は母と夜に空をいました
いくつの星を数えることが出来るのでしょうか
今日は天の川ですね
天の川の流れに
身を寄せて
信長様を待つ
信長様、早くお会いしたいです
待たなければいけない日はこの星より少ないですよね
信長様、どうかご無事でいてください
腹は減ってはおりませんか
鈴のことを忘れられるのではありませんか
信長様のお顔を初めて見た時に私は忘れられなくなりました
信長様は奥方がいらっしゃるのですね
私は複雑な気持ちになりますが仕方ありません
でも、そばにいるだけでも幸せです
早く帰ってきてください
りりしい信長様のお顔をみたいです
ただ、心が耐えきれるでしょうか
どうかご無事で
鈴、今どうしているのじゃ
わしは、いつ敵の矢をあびるかもしれない
しかし、矢を受けようとも大丈夫だ
なぜなら
鈴からの矢を受けたからじゃ
早く帰って、鈴と散歩でもしたいものじゃ
辰之進
は
今日は天の川だな
そうでございます
ここから、鈴のところまで遠いな
おっしゃるとおり
早く帰りたいものです
天の川で流れて城まで行くことは出来ぬか
天の川に我が心を乗せて
お前の胸に
届かぬだろうか
俺は元気じゃ
だが、腹が減っては戦が出来ぬということはこのことじゃな
鈴のことが一番気がかりじゃ
いじめを受けておらぬだろうな
辰之進を護衛に回せばよかったかな
思えば鈴の舞いも美しかった
今度、城内で舞いを見てみたい
鈴の美しい髪、瞳、透き通るような肌
そのためにも早く終わらすぞ
奥方は必要ない
お飾りじゃ
帰ってきたらとにかく元気な顔を見せてくれ
元気で暮らせ
帰ったら料理でも食べさせてくれ
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