綺麗にして、待ってます!

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 お墓が綺麗になった。水で濡れていることを差し引いてもキラキラとオノマトペを付けてもいいぐらいに輝くぐらいの仕上がりである。 次に小物類の洗浄…… と、言いたいところだが、錆びたステンレスの花立も線香皿も、薬品を使っての洗浄ではどうしようもない段階にまで来ていた。 花立ては先述の通り錆びており、花を生ければ錆で即座に枯れそうな勢いである。線香皿に至っては手にとった瞬間にヒビだらけと気がつくぐらいであった。 「サービスにしときます」 青年は花立てと線香皿を新品のものに取り替えた。彼は「故人に対するやさしさ」をモットーにしていることから多少自腹を切ってでもお墓を綺麗にすることに拘りを持っているのであった。 最後は乾いた雑巾でお墓の水分の拭き取り。水分から来るコケの防止のために丁寧な拭き取りが行われた。 「こんなものか」 青年はスマートフォンのカメラを構え、お墓の写真を撮影する。清掃前、清掃後の比較写真の撮影のためである。これだけで掃除をした証明にはなる。本来ならばスマートフォンのカメラ電話機能で確認をしてもらうのだが、ここは電波が通じないためにこの形になったのだった。
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