美少女フィギュアを購入したコタローと、それを見ているヒナちゃんのお話

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「ちゃぶ台の上のブツですね」 普段、表情が貧相なコタローがニヤリと笑う。 「フフフ、よく気が付きました」 コタローは、一旦、パソコンの前から離れると、どや顔で、カメラの前にそれを持ってきた。 「じゃ~ん!!」 「ああ~、はいはい。それね。コタロー、昔から好きだったもんね」 パソコン画面いっぱいに、美少女フィギュアが出現した。 コタローって、昔からこういうのにどっぷりハマってるんだよねえ…。調子に乗るから本人には絶対言えないけど、コタローは見た目はまあまあ良い方なのに。もったいない、もったいない。 そういえば高校生の時、せっかく好意を持って近づいてきた女の子にも、そっちの話を熱弁して、結局避けられてたなあ。おまけに本人はそういうの全然自覚してないし。ああ残念だ、残念だ。 ヒナは、そんなことを考えながら、画面いっぱいに表示された美少女フィギュアを指でグリグリ押した。
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