陶眠

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陶眠

不完全な形態を糸で(つつ)んだ殻。 活動状態が弱い生体を保護する覆い。 人で例えるなら子宮のことかな。 母の体温が伝う、羊水は心地良い温水。 心音に背中を撫でられながら緩やかな眠りを漂う。 とくんとくん。 そんなことを夢想しても、聴こえるのは自分の鼓動だけ。私は今日も毛布に(くる)まる。胎児のように丸く、冷えたお腹を埋めながら思う。 学校…行かなきゃ…。 16歳の冬だ。
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