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ロレンツォと登山仲間のアメリア、カイルの3人は5合目付近で大吹雪に遭った。この季節の雪嵐は珍しく、視界が奪われる程のホワイトアウトであった為、3人はやむなく山小屋に避難する事にした。 料理人であるカイルは早速体を温める為に背負っていたバッグから調理機材を取り出し、ロレンツォは暖炉に火を付けた。 アメリアは暖炉の温かみに触れて、凍えた身体を癒した。 「まさか、こんな天気に見舞われるなんて」とアメリアは揺らめく暖炉の炎を見ながら言葉を漏らした。 登山当日の天気予報は晴天。4合目までは計画通りに雲行きも良好だった。 しかし、5合目辺りから突如として3人は悪天候に見舞われた。 「山は生き物だ。仕方がない。天候が回復するまでここを離れない方がいいかもな。この吹雪だ。登頂は諦めた方がいい」 登山歴の長いロレンツォはアメリアとカイルに登頂を諦めるよう話した。カイルはホットココアを作りながら話に耳を傾けていたが、納得がいかなかった。 「折角ここまで来たのに。なぁロレンツォ、食料だって3日分はある。それにアメリアはこの日の為に1ヶ月も前から準備していたんだぞ? 高山病対策の為に身体を慣らそうと俺たちより先に入国して」 「わかってる。でも、危険だ」 写真家であるアメリアはこの山の景色をカメラに抑える為に1年前から登山の企画をし、絶景の条件が揃う天候を待っていた。 「いいのよカイル。命の方が大事だわ」 アメリアは2人を見てゆっくりと頷いた。
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