16095人が本棚に入れています
本棚に追加
/452ページ
いつもは外で目立つような事はしないから、絶対に走ったりなんてしないんだけど。
会社を出て、人目につかないところまで移動した私は通勤用バッグを担ぐように持ち方を変えると、タイトスカートにパンプスを履いているとは思えないほど全力疾走した。
身長は155センチ。華奢な身体に色白ブルベ。
真っ黒な髪は、絶対にほどけないくらいキッチリと結った三つ編み。
目に被るくらいの前髪は、風のせいでオールバックになっていて、そこから覗く伊達メガネのレンズは真ん丸。
化粧は軽くファンデーションを施した後、アイブロウとほんのりチークを乗せるだけ。
唇にはメンソレータムのリップを塗ればそれでお終い。
そんな身なりの人間が、物凄い勢いで走り去っていくからか、すれ違う人が変な目で私を見ているのが分かる。
見たければ見ろ。笑いたければ笑え。
私は今の自分に誇りを持っている。生きていて楽しい。
そして今日はアレの発売日。テンション上がるー!
最初のコメントを投稿しよう!