好きだ!

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「藤橋、ナイッシュ!」  ラインはないからスリーかはわからないけど、ロングシュートを決めてハイタッチをする竜太くんと彩織さんを見て羨ましいと思う。 「基晴くん」  俺にも手のひらを見せられて、俺はそろりと手を合わせた。  指、細っ!手まで綺麗とか何だ! 「うっしゃっ!もと……あ……」  1人で彩織さんと触れた手を見て興奮していた俺の顔面に竜太くんがパスカットしたボールが直撃。 「大丈夫っ!?」  彩織さんに顔を覗き込まれて、痛みより恥ずかしさの方が勝った俺はコクコク頷くことしかできない。 「血出てるじゃん!見せて!高晴!ティッシュ!もとくん鼻血出しちゃってる!」  岬さんに手を退けられて、鼻血と言われて余計に恥ずかしくなる。  うわぁ……マジだ。  手に付いている血を見て情けなくて消えたくなった。 「これ!ティッシュ!」  彩織さんがさっと自転車まで走って行ってかばんからポケットティッシュを出してくれる。 「今日は中止だな。暗くなったし」  春馬くんが転がっていたボールを兄貴に放ると、兄貴はトロイなぁ……と呟きながらボールを指先に乗せて回した。
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