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そうして実況を終えた俺は、長男の祭に引きずられるようにして自分の部屋までやってきた。他の面々も自分の部屋に籠り、片付けを始めている。
「まずはどこから片付ける?」
「えー……。どこから片付ければいいですかね?」
俺は自分の部屋を見ながら呟く。
祭は隣でため息を吐いていた。
それもそのはず、俺の部屋はこの家で一番散らかっている。汚いとは言わない。散らかっているのだ。
床は足の踏み場もないほどに服や、高校の教科書が散らばっている。机の上にはいらないプリントや教科書が山積み。教科書が多い理由は、長期休みには必ず全て家に持ち帰らなければならないからである。
ベッドの上は整えられていない毛布と、脱ぎっぱなしのパジャマ。
本棚には大量のCD。主にアニソン。この辺りはそれほど散らかってはいないと思う。
「お前の部屋だけ空き巣が入ったみたいだな……」
「すみません、ほんとすみません。毎年すみません……」
基本的に穏やかな祭だから怒られているわけではない。しかし、迷惑をかけていることは承知の上なので、めちゃくちゃ謝ってしまうのだ。
というか、この片付けが下手な一家で、祭の部屋だけがいつもきれいだ。謎だよなぁ……。兄弟でこの差! 親だって片付け下手なのに!
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