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「とりあえず、散らかっている服を片付ける」
「はい……」
さっきまでのテンションから一転、俺は静かに祭に従って片付けを始めた。
「この服は全部いるの?」
「んー、小さくなった服とかある」
「それは捨てるか。そこの袋、一枚取って」
ゴミ袋を一枚広げる。
祭は、タンスに入っていた服も全てを床に出していた。
「ここからいるものだけ取って、ちゃんと畳んで直して」
「はい」
大人しく言われた通りやる。
隣の智の部屋から洋楽が聞こえてきた。
「これはー、いらない。これもー、小さい。これはー、いる。これも」
俺がいらないと言った服を拾い上げ、ごみ袋に詰めていく祭。俺はとにかく少しでも早く終わらせようと、手を必死に動かした。
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