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「終わった!」
「よくできました」
満面の笑みで引き出しを戻すと、祭が後ろから頭を撫でてくれた。
「次は机の上だな」
いつの間にしてくれたのか、ベッドが整えられていた。
床に踏み場が出来、足場を気にすることなく机に近づくことができた。
「いらないプリントは、名前があるなら破くかマジックで消して」
「はい」
新しいごみ袋を出しながら言う言葉に従い、さっそくいらないプリントに名前がないかを確認し始めた。
次々に新しいごみ袋にプリントを捨てていくと、あっという間に袋はいっぱいになった。
「机の中は? いらないものない?」
「んー。使わなくなったペンとかあるけど、使えるよ?」
「出して」
「はい」
俺は一切反抗しない。こういうのはもう、片付けが上手い人に従う方が手っ取り早い。そして、時間をくれている兄の手を、これ以上煩わせるわけにもいかない。
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