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昼間に食べかけていたパンとハムのステーキをフランは調理していた。
季節が季節であったが、幸い、冷やしていたから痛んではいない。
温かみを失ったハムのステーキをドレッシングと細かく刻んだ玉ねぎと葉物野菜と和え、パンに挟みこむ。
残り物サンドウィッチの完成だ。
フランは我ながら良いリメイクをしたものだと悦に浸り、サンドウィッチをリュクレーヌの元に運んだ。
だが、リュクレーヌはというと、上の空と言ったところだろうか、ぼんやりとしていた。
何か、考え事をしているように。
「リュクレーヌ。何を考え込んでるの?」
「……いや、マスカはどうして二人を生かしたんだろうなって」
「あぁ、クレアたちの事?」
リュクレーヌの頭にあったのは、クレアの語った過去。
なぜマスカは逃げたのか。
「アマラもいない、ルーナエも関与していない……となるとファントムの仕業としか思えないんだよな」
「……ファントムが」
「わざわざ、二人を生かす義理があるのか……?分からねぇな」
「ううん……あ、そういえば」
推理の足しになるかは分からないけど、と躊躇するようにフランが付け加える。
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