106人が本棚に入れています
本棚に追加
「ファントムを捕まえれば、ルーナエさんだって、解放できるかもしれないよ!」
ルーナエの保護に繋がる。
上手くいけば、ファントムとルーナエを分離できるかもしれない。
それがリュクレーヌの望みだとフランは思っていたから説得をするのだ。
「そんな方法、どこにあるって言うんだよ」
「今は無いかもしれないけど……」
「じゃあ、意味ないだろ。ていうか、お前は受けるのか?」
「やるよ」
今度はフランが毅然とした態度で言う。
「僕は、人を守りたい。ファントムを捕まえればたくさんの人が助かるだろ?」
諸悪の根源の捕獲は多くの命を救うはずだから。とフランは言い切った。
だが、リュクレーヌは相変わらず俯いたまま、大きくため息をついた。
「……どうだか」
「何か言った?」
ため息と共に吐かれた嫌味をフランは聞き逃さなかった。
わざと、聞き返された事はリュクレーヌにも分かっていた。だからこそ余計に苛立つ。
リュクレーヌは引き攣らせた顔を上げて、フランの方を睨んだ。
「分かんないな!本当に人を救う気なのか?」
「決まっているだろ!どういう事だよ!」
「ガーディアンになるためじゃないのか!」
最初のコメントを投稿しよう!