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フランには条件が出されていた。
この作戦が成功すれば、ガーディアンに所属できるかもしれない。
それが目当てだろうとリュクレーヌは指摘する。
だが、フランは首をぶんぶんと横に振ってみせた。
「そんな訳無いだろ!」
「さっき、復帰するだけとか言っただろ!」
「あれは、そういう意味じゃ……」
余計な誤解を生んでしまった。思わずフランは狼狽える。
重箱の隅をつくような言いがかりをつけ、更にリュクレーヌは畳みかける様に「とにかく!」と切り出した。
「俺はこの件について何もしないからな!」
護衛はしない。何が何でも。絶対に。
意地を張っているというよりも、本気だ。
フランも、リュクレーヌが実は融通の利かない奴であるという事は分かっていた。
だが、人命のためなら誰であろうとも助ける。
彼はそういう奴だ。と、思っていたのに──
「あぁ、分かったよ!僕一人で充分だ!終わったらガーディアンでも何でもなってやる!」
フランも、本気で言い返した。まるで本当に裏切られたかのように。
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