7.バックムーン

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リュクレーヌが来るとすればフランと一緒だと思っていた。 今回来たのはフラン一人だけだ。 それは、リュクレーヌが依頼を断った事を意味する。 クレアはすぐさま察して少し悲しそうに俯いた。 「ごめん。僕も説得したんだけど……」 「仕方ないわよ。彼にも断る権利は有るわ」 「だけど……」 クレアとしても、リュクレーヌが自身の意思を尊重するだろうと、どこかで分かっていたようだ。 アドミラによって、意思を、尊厳を踏みにじられたのだ。 その上、お前には頼んでないとも言われる始末。 断っても無理が無いと思っていた。 ただ、いてくれたら頼りだった──と多少なりとも思ってはいたが。 「いくら何でも、薄情だよ……」 フランは俯きながらリュクレーヌの事を非難した。 だが、クレアはそれに同調する事なく、話を切り出す。 「私ね、昨日眠れなかったの」 「え?」 フランは聞き返した。
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