7.バックムーン

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クレアがアマラ軍の訓練所に所属した直後、彼女はホームシックからか毎晩のように泣いていた。 唯一の家族──父であるアドミラと離れた生活。 それは幼いクレアにとって寂しいにも程があるものだったのだ。そんな中、同世代のフランに出会った。 年が近いこともあってすぐに打ち解けたが、何よりも彼の境遇を聞いて、自分と似ていると感じた。 それなのに、フランは過去よりも今を見ていた。 いつだって、「『約束』のために頑張るんだ」といって鍛錬に励んでいた。 フランと過ごすうちに、クレアの心境も変わっていった。 あぁ、前を見なくちゃ。 過去に縋っている暇なんてここには無いんだと、クレアは腹を括ることができたのだった。 「もしかしてリュクレーヌは、フランだから一人でも大丈夫だって送り出したのかもね」 「えぇ……そう、かなぁ?」 フランは首を傾げる。肯定はできなかった。 「まぁ、とにかく!やるしかないんだよね」 「そうね。私達で、パパを……たくさんの人達を護って、ファントムを捕まえましょう!」 ようやく、彼女は首を振り、強気な笑顔を見せつけた。 絶対にこの任務は成功させる、という固い意思を感じるような。 「うん!」 そうだ。自分達が、やるべき事をやらねば。とフランも同意した。
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