106人が本棚に入れています
本棚に追加
フランの頭に一つの可能性が過る。
アドミラの暗殺などハッタリでアマラ軍の大量虐殺こそが、ファントムの真の目的だったのか?
「危ない!!」
──そんな事、させてたまるか!
強い想いでフランがスチームパンク銃を握りしめると、心と共鳴するように銃は光り、マスケット銃へと変化した。
そして、何百本ものマスケット銃が監視場の下の方へと飛んでいく。
「……あれ?無事だ」
アマラの一人が、瞼を開けて、天を仰ぐ。
そこには大量のマスケット銃がバリアを作るように組み合って、瓦礫を支えていた。
「何だ!?この銃が俺たちを守ってくれたのか!」
異様な光景にアマラは大層驚く。だが、そんな暇はない。
「今のうちに、逃げて!」
ようやく場も開け、監視場まで駆けつけたフランはすぐさま彼を安全な方向へと逃がそうとする。
アマラは「あぁ!助かった」と礼を言いながら持ち場を離れた。
人が居なくなるのを確認して、フランはファントムの方をきっ、と睨んだ。
「あれ?いいのかな?」
ファントムは挑発的な態度でフランを煽る。
しかし、周りにはもう誰もいない。
危険に晒される者はいないはずだと思った。
最初のコメントを投稿しよう!