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だが、作戦はフランとの仲たがいに繋がってしまった。
ファントムは嫌味っぽく指摘する。
「ま。僕としては君たちが引き裂かれてくれると嬉しいんだけど」
「そいつは、残念だったな」
黙り込んでいたリュクレーヌは余裕綽々の笑顔を見せた。
「フランには最初から作戦だと伝えている」
「!?事務所はずっと盗聴していた!そんなタイミング……」
ないはずだ。会話もしないで?不自然に筆談などすれば、紙とペンの音で察することが出来る。
どうやって、ごく自然にフランに作戦を伝える事が出来たのか。
「給与明細だよ。明細に書いておいたんだ。この事務所が盗聴されている事と、自分がおかしな言動をしても盗聴を利用した作戦だから自然にふるまえ、そして作戦は日々の報告書の日誌に書いておく……ってな」
「なるほどね。だから助手君は給与明細を見た時に一度聞き返したのか」
「まぁ、そうなるだろうと思ったからボーナスも出しておいたけどな」
給与明細をみたフランは大層驚いただろう。
だが、このまま盗聴の事は利用してしまおうという作戦の為、フランもまた自然にふるまおうとしていた。
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