7.バックムーン

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「司令!……いや、パパ……」 部下としてではなく一人の娘としてクレアは頭を下げる。 「私の大好きなパパでいて欲しいの。お願い」 これはエゴだ。 そんな事はクレアにも分かっていた。 だが、例えエゴだろうと、父親がした事にはけじめをつけて欲しかった。 娘の懇願に、深くため息をつきながらアドミラはリュクレーヌの方を向く。 そして、 「…………すまなかった」 深く頭を下げて陳謝した。 その様子を見て、リュクレーヌは目を見開く。 居心地の悪い、複雑な表情をして、しばらく黙り込んでいた。 沈黙が続く。 アドミラはそれでも頭を上げない。 耐えかねたリュクレーヌは、小さく口を開けた。 「……許す、わけないだろ」 「リュクレーヌ!」 フランが𠮟責するように叫ぶ。 だが、リュクレーヌは言葉を止めなかった。
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