7.バックムーン

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「……え?断ったよ」 「断った!?なんで! 『ガーディアンにでも何でもなってやる!』って、言ってたのは──」 「いや、あれは喧嘩する作戦で、そう言っただけで別に本気じゃ……」 そもそも、喧嘩するのはリュクレーヌの作戦のはずだ。 まさか、作戦の中での口論を本気にされていたと言うのか?と、フランは困惑する。 状況と状態を察したリュクレーヌは、慌てていた表情をみるみるうちに綻ばせた。 「……もしかして、ちょっと心配してた?」 フランは、少しだけニヤっとしながら聞いてみる。 「そっ!そんな訳ないだろ!アレは作戦!俺も知ってたし!」 「ふぅん……」 分かりやすいなぁと思いながらフランはにっこりと笑った。 「なんだよ」 「別に。まぁ、僕もこの事務所、結構気に入っているんだよね」 さらりと出てきた誉め言葉に、リュクレーヌが目をぱちくりとさせる。 フランはそんなリュクレーヌの方をじっと見る。 「それに今回は、リュクレーヌと一緒に、ファントムに一泡吹かせてやったし、気分が良いんだ」 「お、言うようになったじゃねぇか」 自分を刺して、混乱させようとし、挙句の果てには事務所に盗聴器までしかけていた黒幕を見事に罠にはめた。 フランとしても、リュクレーヌとしても最高に気持ちのいい事だろう。 「これからは、マスカをどうにかするだけ……かな」 「……いや、ファントムも完全に封印しているわけじゃないからな」 「完全に封印する方法があるの?」 「今はまだ分からない」
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