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完全に納得はしていなかったが、約束の日まで時間はなかった。
海を迷いながら泳ぐ魚の如く、流されるようにフランは船旅へと連れられて行ったのだ。
「すげー!サメもいる!俺、本物初めて見た!」
「やれやれ……」
ここまで何も気にする事なくただただ純粋に船旅を楽しむことしかしていないリュクレーヌを見ていると、悩んでいる自分が馬鹿らしく思えてきたようで、フランは諦めた様にため息をつく。
せっかくだし、自分も楽しむか。
とフランはデッキから移動する事にした。
「どこ行くんだ?」
「せっかくだし、娯楽施設とかにも行ってみようかなって」
「お!いいねぇ!俺も行くよ」
「今からだと、ホールでショーがやるみたいだよ」
「じゃあ、それに行こうか」
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