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リュクレーヌはやれやれとため息をついて今度はポーカーのゾーンへ向かう。
ところが、今度はイカサマ無しで普通に負けていた。
普通にギャンブルの類は弱いらしい。
と、言うよりも彼は、大きな賭けに出たがる性格をしている。
だが、そういう時は必ずと言っていいほど幸運の女神はそっぽを向き、笑いの神が大爆笑してくるのであった。
──あぁ、一文無しになる訳にはいかないな
フランは地道にこつこつとチップを溜めていった。
リュクレーヌの負け分を補うために。
二人はひとしきり遊んだ後、カジノコーナーを出て、元来た道を帰っていた。
一段ずつ、階段を上がりながら、リュクレーヌはフランに笑顔を見せた。
「いやー助かった!ありがとう!」
「もう、ギャンブルは計画的にしてよね」
「そう言っても初めてでさ、楽しかったんだよ」
一級フラグ建築士リュクレーヌは見事に負けに負けた。
それを補うようにフランは堅実に買っていた。
結局合計額は多少のマイナスにはなったが、これがリュクレーヌだけの金額だったら恐ろしい事だとフランは身震いをした。
「ところで、お腹すかない?そろそろディナータイム始まるよね?」
「あぁ、じゃあレストランに向かうか」
時刻は黄昏時。
そろそろ腹の虫が鳴く頃だ。二人はレストランの方へと階段を上がっていった。
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