8.スタージェンムーン

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リュクレーヌはやれやれとため息をついて今度はポーカーのゾーンへ向かう。 ところが、今度はイカサマ無しで普通に負けていた。 普通にギャンブルの類は弱いらしい。 と、言うよりも彼は、大きな賭けに出たがる性格をしている。 だが、そういう時は必ずと言っていいほど幸運の女神はそっぽを向き、笑いの神が大爆笑してくるのであった。 ──あぁ、一文無しになる訳にはいかないな フランは地道にこつこつとチップを溜めていった。 リュクレーヌの負け分を補うために。   二人はひとしきり遊んだ後、カジノコーナーを出て、元来た道を帰っていた。 一段ずつ、階段を上がりながら、リュクレーヌはフランに笑顔を見せた。 「いやー助かった!ありがとう!」 「もう、ギャンブルは計画的にしてよね」 「そう言っても初めてでさ、楽しかったんだよ」 一級フラグ建築士リュクレーヌは見事に負けに負けた。 それを補うようにフランは堅実に買っていた。 結局合計額は多少のマイナスにはなったが、これがリュクレーヌだけの金額だったら恐ろしい事だとフランは身震いをした。 「ところで、お腹すかない?そろそろディナータイム始まるよね?」 「あぁ、じゃあレストランに向かうか」 時刻は黄昏時。 そろそろ腹の虫が鳴く頃だ。二人はレストランの方へと階段を上がっていった。
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