8.スタージェンムーン

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その時だった。 「ぎゃーーーーーっ!」 澱んだ空気に金切声が飛び込んだのは。   白いベッドを堪能するように寝転んでいたリュクレーヌもがばっと上体を起こす。 「悲鳴!?」 「近いぞ!」 「もしかして、マスカが?」 「とにかく、外に出るぞ!」 声はそう遠い場所からでは無かった。 寧ろ近くから、少なくとも同じ階から聞こえたようだった。 マスカの可能性も否めないとフランはスチームパンク銃を鞄から取り出して、ガンホルダーにセットした。 二人は急いで廊下へと出る 「誰か!誰か来てくれ!!」 「隣だ!」 声の方向は隣の、ドアプレートの無い部屋からだった。 すぐにドアを開けようとドアノブに手を掛ける。ところが、ドアはびくともしない。 「あっ、鍵がかかっている」 「離れてろ!」 「うわっ!」 鍵がかかっていたが緊急事態だ。リュクレーヌはドアを蹴破り、室内へと突入した。
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