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その時だった。
「ぎゃーーーーーっ!」
澱んだ空気に金切声が飛び込んだのは。
白いベッドを堪能するように寝転んでいたリュクレーヌもがばっと上体を起こす。
「悲鳴!?」
「近いぞ!」
「もしかして、マスカが?」
「とにかく、外に出るぞ!」
声はそう遠い場所からでは無かった。
寧ろ近くから、少なくとも同じ階から聞こえたようだった。
マスカの可能性も否めないとフランはスチームパンク銃を鞄から取り出して、ガンホルダーにセットした。
二人は急いで廊下へと出る
「誰か!誰か来てくれ!!」
「隣だ!」
声の方向は隣の、ドアプレートの無い部屋からだった。
すぐにドアを開けようとドアノブに手を掛ける。ところが、ドアはびくともしない。
「あっ、鍵がかかっている」
「離れてろ!」
「うわっ!」
鍵がかかっていたが緊急事態だ。リュクレーヌはドアを蹴破り、室内へと突入した。
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