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どうやら、鍵は乗客用のドアも船員用のドアも共通のようだ。
「どっちの鍵も回った……間違いなくこの部屋の鍵だったよ」
「鍵は本物か……いつ、どこで見つけました?」
「時間は、えぇと……ついさっき……十五分くらい前ですかね。ちょうど、その後悲鳴が聞こえたので」
「こんな時間にベッドメイクを?」
「えぇ。日中部屋にいるお客様については、おやすみの邪魔にならないよう、ディナータイムにベッドメイクをするのです」
「なるほど。それで場所は?」
「131号室の客室のベッド内でした。枕の下に隠す様にありました!」
「失礼ですが、貴方が船長を殺して、鍵を持ち出して仕込んだ可能性は?」
「うーん、それは無理ですね。僕の仕事はペアでやるもので、途中で抜けたりなんかできない。ペアのスタッフに聞いてもらってもいいですよ?」
シープは毅然とした態度で答える。ディラが深く頷いて口を開いた。
「私も見たわ。シープちゃんが仕事をしているのを」
「ディラさんは休憩中でしたね。貴方が一三一号室に侵入して鍵を置いた可能性は?」
「それは無理です。お客様の部屋に入れるのは清掃員だけです。ほら、これは客室用のマスターキー。これは僕たち清掃員だけが借りているので、他のスタッフは客室に入れません」
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