8.スタージェンムーン

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「となると……一三一号室の乗客が、俺のディナー用ナイフを盗んで船長を殺して鍵を隠そうとした。一三一号室は誰ですか?」 「ディニー・アンキューラ様です」 告げられた名前にリュクレーヌは目を丸くした。 「なんだって!」 「レストランでリュクレーヌが見た人だよ!」 ディニーの姿をリュクレーヌ達は見ている。 それも、レストランだ。 ナイフを盗んだ可能性も大いにあり得る。だが、次の疑問がある。船長を殺す動機は? 「動機……あるかもしれませんね。詳しくは知りませんが、彼と船長は先日沈没事故のあった船の件でもめていましたから……まぁ、彼は船の事など知らない素人ですが」 リュクレーヌが眉間に皺を寄せると、察したのかポールが呟いた。 「アンキューラさんを呼んできてください!」 見事に証拠がそろってしまった重要参考がいた。まずは、話を聞くことにしよう。 指示を受けて、ディラが「私が行くわ」と言い、現場から出た。
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