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「となると……一三一号室の乗客が、俺のディナー用ナイフを盗んで船長を殺して鍵を隠そうとした。一三一号室は誰ですか?」
「ディニー・アンキューラ様です」
告げられた名前にリュクレーヌは目を丸くした。
「なんだって!」
「レストランでリュクレーヌが見た人だよ!」
ディニーの姿をリュクレーヌ達は見ている。
それも、レストランだ。
ナイフを盗んだ可能性も大いにあり得る。だが、次の疑問がある。船長を殺す動機は?
「動機……あるかもしれませんね。詳しくは知りませんが、彼と船長は先日沈没事故のあった船の件でもめていましたから……まぁ、彼は船の事など知らない素人ですが」
リュクレーヌが眉間に皺を寄せると、察したのかポールが呟いた。
「アンキューラさんを呼んできてください!」
見事に証拠がそろってしまった重要参考がいた。まずは、話を聞くことにしよう。
指示を受けて、ディラが「私が行くわ」と言い、現場から出た。
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