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疑いはフランに向けられる。
護身用に持っているスチームパンク銃を持っているからだ。
だが、自分の助手が疑われようと、リュクレーヌはあくまでも冷静だ。
「フラン、落ち着け。死体には外傷が無かったんだ。銃声すらしなかった。銃殺は無理だよ」
皆が駆けつける前に、死体の検死は済ませている。
リュクレーヌの言う通り外傷は無かった。
少なくとも、今駆けつけたスタッフたちの目からも、銃で殺されたような痕跡は一切取る事はできなかった。
「えっと……じゃあ、死体はもう回収してもいいですか?」
シープがおそるおそる確認する。
死体から分かる情報は今のところもう無い。
リュクレーヌは「お願いします」と承諾した。
その後、すぐに二人は客室に戻った。
フランに至っては部屋に戻るなり、鍵だけでなく、客室の内側からかかるチェーンをしっかりかけて、充分に用心した。
次に狙われるターゲットは自分かもしれない。と顔を青くして焦りを見せながら。
そんなフランを見ながらリュクレーヌは余裕の表情で話かける。
「何ビビってんだよ。フラン」
「そんな……誰だって怯えるよ。まさか連続殺人が起きるなんて……」
「まぁ、名探偵の行くところ事件有りって感じだよな」
「……これ以上、起きて欲しくないけど」
だが、そんなフランの願いは大きく裏切られる事になる。
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