8.スタージェンムーン

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疑いはフランに向けられる。 護身用に持っているスチームパンク銃を持っているからだ。 だが、自分の助手が疑われようと、リュクレーヌはあくまでも冷静だ。 「フラン、落ち着け。死体には外傷が無かったんだ。銃声すらしなかった。銃殺は無理だよ」 皆が駆けつける前に、死体の検死は済ませている。 リュクレーヌの言う通り外傷は無かった。 少なくとも、今駆けつけたスタッフたちの目からも、銃で殺されたような痕跡は一切取る事はできなかった。 「えっと……じゃあ、死体はもう回収してもいいですか?」 シープがおそるおそる確認する。 死体から分かる情報は今のところもう無い。 リュクレーヌは「お願いします」と承諾した。   その後、すぐに二人は客室に戻った。 フランに至っては部屋に戻るなり、鍵だけでなく、客室の内側からかかるチェーンをしっかりかけて、充分に用心した。 次に狙われるターゲットは自分かもしれない。と顔を青くして焦りを見せながら。 そんなフランを見ながらリュクレーヌは余裕の表情で話かける。 「何ビビってんだよ。フラン」 「そんな……誰だって怯えるよ。まさか連続殺人が起きるなんて……」 「まぁ、名探偵の行くところ事件有りって感じだよな」 「……これ以上、起きて欲しくないけど」 だが、そんなフランの願いは大きく裏切られる事になる。
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