8.スタージェンムーン

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◆   客室の広いベッドにて、フランは目を覚ます。 窓から差す日は海面にキラキラと揺られて眩しい。 フランがふいに隣のベッドの方に目をやると、リュクレーヌはまだ眠っていた。 珍しく、早く目が覚めたみたいだ。 ──あぁ、よかった、何事もなく夜が明けた。 だが、安心したのも束の間だった。 「うわああああああああああっ!!!!」 腹の底から振り絞られた雄たけびのような声がした。 「!?」 「なんだなんだ!」 リュクレーヌも悲鳴を聞いて、大慌てでベッドから上体を起こす。 「分からないよ!」 「とにかく外に出るぞ!」 「うん!」 134号室のドアを開けると同時に隣の船長室のドアが開いた。 船長室から出てきたのは、副船長のポールだった。 「あっ!副船長さん!」 「先ほどの声は一体……」 「何があったのかは分かりません」 ポールは首を左右に振る。 「けど……先ほどの声はレストランの方からだと思います」 事情は分からない。 それでも、ポールには悲鳴の場所に心当たりがあった。 「何ですって?それは本当ですか?」 「えぇ!あの悲鳴の後すぐに、船長室の電話が鳴ったんです!」 「それで貴方は船長室から出てきたわけか……じゃあ、レストランへ急ぎましょう!」 三人は一緒にレストランの方へと向かった。  
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