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既に四人も死んでいる。
緊急事態という事もあって副船長のポールからは部屋から出ないようにという通達がされた。
勿論、そのお達しは船に居合わせていた名探偵と助手にも届いており、リュクレーヌとフランは部屋に居た。
フランは不安な様子でそわそわとしている。落ち着かないのか、客室内をぐるぐると歩き回ったりしていた。
「リュクレーヌ、流石にここまで殺しが続くなんておかしいよ」
一方、リュクレーヌはテーブルでぼんやりと考え事をしているようだった。
フランの声も届かない。
「リュクレーヌってば!」
「あ、あぁ。悪い。聞いていなかった」
フランはやれやれといった態度で「もう」と言った。
「この事件、何なんだろう。大富豪と船員が一人ずつ殺されているなんて……」
「まぁ、無差別殺人って訳ではないだろうな」
「僕たちが殺されていないもんね」
一番の厄介者であり、事件に足を突っ込むことで狙い易いであろう探偵とその助手。
無差別殺人であればその二人が狙われないわけが無い。
「じゃあ、資産家と船員の確執が原因?」
「さぁな。その辺は船長くらいしか関係していなさそうだけどな」
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