106人が本棚に入れています
本棚に追加
「なっ!?どうしてこんな事に!」
「うっ、うわあああっ!」
不明瞭ではあったが、確かに分かった。
死体がバラバラにされていて、もはや誰が誰だか分からない状態になっていることが。
予想をはるかに超える残酷な光景にフランは卒倒した。
「ふぅん……やっぱりな」
だが、リュクレーヌは予想通りとも言えるような態度で、死体へと近づいた。
死体は腕や脚、胴体バラバラに切断されている上、頭部は顔の部分がそぎ落とされて、誰が誰だか分からない状態になっていた。
リュクレーヌは淡々とその頭部を指さして個数を確認した。
すると、礼をするかのように両手をぱちんと合わせた。
「分かりました。ありがとうございます」
「あの、この状況で何が分かったというのですか?」
「そうですね……この事件に僕たちが呼ばれた意味、ですかね?」
「はぁ?」
よく分からない会話をした後、リュクレーヌは倒れたフランを抱え、部屋へと戻っていった。
最初のコメントを投稿しよう!