8.スタージェンムーン

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◆   目を覚ましたのはひんやりとした暗闇の中だった。 「ん……」 腕は頑丈な手錠が鎖に繋がれている。 腕だけじゃない。 力づくで拘束を解こうとしても、びくともしない。 よく見ると、鎖には封印を意味する十字架がところどころにあしらわれていた。 「はぁ?なんだこれ……」 周りは闇に包まれ、視界に入る者は黒色しかない。 リュクレーヌにとって意味が分からないままだった。 その時、闇に包まれていた空間は、ぱあっとスポットライトが差し込み、一部、光で照らされる。 「レディースアンドジェントルマン!ようこそ、化けの皮オークションへ!」 ようやく、ここがどこなのか分かった。 一日目にショーをやっていたホールだ。 自分は鎖で縛られている上、巨大な鳥かごのような檻に閉じ込められている。 少し離れたところに、赤い布がかかった何かがある。 一人の男が、声を張り、客席の方へ語り掛けた。 その正体はリュクレーヌが犯人だと睨んでいたアルティムだった。 やはり、推理は当たっていた。 だが、罠にかかってしまい、拘束されたわけだが。
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