8.スタージェンムーン

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「……まず、パイラート船長をはじめスタッフたちはマスカの仮面を契約したが、まだ憑依をしていない状態の人間だった。スタッフ側の殺人は狂言だった訳だ」 「ほう」 「第一の死、船長の死は、船長室での自殺だ。あらかじめメシスから貰っていた俺のナイフを自分の胸に刺した。そして、鍵をアクリウスからディラ、シープと手渡していた。鍵を持っているシープが131号室の部屋を掃除した時にベッドに仕込んで如何にも見つけたかのように装ったんだろう」 「では、第二の死、ディニー・アンキューラさんについてはどう考えています?停電の時、傍に居たのは貴方達たちだけだったでしょう?」 「何でそれを知っているんだ?あぁ、知っているはずだよな。この殺人のトリックはとても簡単なものだ」 「簡単?」 「とぼけやがって。アンタが自殺をした後、アンキューラさんに憑依した。停電時、隠し持っていた仮面で別の死体へと憑依した。すると、停電が開けると、アンキューラさんの死体が転がっている。当然の事だろう。そして、次の憑依先はグロリア・カルティスの躰だろ?」
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