106人が本棚に入れています
本棚に追加
「フラン!?お前っ……何捕まっているんだよ!」
「部屋を出たところで捕まったんだよ!アクリウスさんに!」
鎖で拘束されたフランはマスカの手によって乱暴にリュクレーヌと同じ檻の中に押し込められてしまった。
「あーもうっ……これは俺の作戦ミスでもあるなぁ」
「うう……ごめん……銃も取られちゃった……」
「マジかよ……詰んだ、完全に詰んだ……」
二人は頭を抱えた。絶望の空気が檻の中を漂う。
一方、マスカはテンションを上げて木槌を手に取った。カァンッと叩きつけられる音がホール中に響くと
「さぁさぁ、皆さん!今宵は貴重な人間たちです!セット出品致します!」
と言って、早速オークションを始めた。
「スタートはいくらにしましょうかねぇ……」
「100!」
客席から一人の男が言う。
「おぉっ!お目が高い!それでは、100スタートで!」
もう一度木槌が叩かれる。
その後は「200」「250」と跳ね上がっていくだけの数字が木魂した。
それが金額を意味するものだとばかりフランは思っていた。
「300!」
「300!これ以上は居ませんか?……居ませんね?」
カンカンと乾いた音で木槌が叩かれる。
「決定です!300です!」
どうやらリュクレーヌとフランの価格が決定したようだ。
最初のコメントを投稿しよう!