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「あなた方は300体の死体と引き換えに買われるのです」
「悪趣味にもほどがあるな。俺もいろんな事件に関わってきたが、ここまでタチが悪いのは初めてだ」
リュクレーヌはもう一度舌打ちをして悪態をついた。
「言い残したいことはそれだけでしょうか?」
「そうだな。しいて言うなら、聞かせて欲しい。いったい何のためにこんなオークションしているのか」
「いいでしょう」
司会者のマスカはリュクレーヌの要求を飲む。
そして、この事件の──いや、この闇オークションを開く事になった動機を語り始めた。
「私は、元々ただの漁師でした。若い時から船に乗り、海を渡り、それを仕事にする事は幼い時から決まっていたようです」
マリノスは小さな漁師町で生まれた少年だった。
両親は漁師をしており、自分もその仕事を継ぐものだと決まっていた。彼は人生という道を、その通り、進んでいき、漁師になったのだ。
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