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家族団欒を象徴していた居間は瓦礫と化し、
赤く塗られていたのは兄たちの血肉。
「兄さん……嘘だ、嘘……う……うわぁぁぁっ!!」
既に跡形もない。
少年は兄達に寄り添う。
「どうして……どうしてこんなこと……ううっ……嫌だ……起きてよ!兄さん!」
現実はまだ飲み込めない。
生きていてくれ。
願っても、兄達だったものは目覚めること無かった。
──兄さんたちが死んだ
ようやく、何が起きたか理解して、少年の瞳からはボロボロと涙が溢れる。
「たすけて……父さん……母さん……どこ」
少年は母の姿を探す。
しかし、どこにも居ない。攫われてしまったのだろうか。
──一体誰がこんな惨い事を
答えは目の前にあった。
奇声を発しながら破壊行動を続ける機械仕掛けの化け物。
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