106人が本棚に入れています
本棚に追加
◆
船はロンドン港へと戻る。リュクレーヌ達はようやく船から解放された。
船に積まれていた大量の死体は、悪用されないようにと、アマラ軍へと引き渡された。
「なんとか、終わったか……」
ようやく、長い、長い船旅が終わった。
リュクレーヌは港で潮風を浴びながら波打つ海面を眺めていた。
「いや!そんな事よりどうしてアドミラさんがいたの!?」
「依頼だったんだよ。そもそも大量の死体が出る海難事故をアマラ軍がマークしないはずはない」
この度の船旅はアドミラからの依頼だった。
チケットを手配したのもアドミラだ。
当然、彼はリュクレーヌがフランに依頼の事を伝えるものだと思っていた。
「でも、軍が表立っていくわけにはいかなかった……だから俺達に依頼が来たって訳だ」
「じゃあ、どうして教えてくれなかったんだよ?いつも、いつも……」
リュクレーヌはフランに依頼の事を伝えなかった。
共に闘う者として、どうして重大な事を隠されたのか、フランは不満を抱いていた。
最初のコメントを投稿しよう!