8.スタージェンムーン

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◆   船はロンドン港へと戻る。リュクレーヌ達はようやく船から解放された。 船に積まれていた大量の死体は、悪用されないようにと、アマラ軍へと引き渡された。 「なんとか、終わったか……」 ようやく、長い、長い船旅が終わった。 リュクレーヌは港で潮風を浴びながら波打つ海面を眺めていた。 「いや!そんな事よりどうしてアドミラさんがいたの!?」 「依頼だったんだよ。そもそも大量の死体が出る海難事故をアマラ軍がマークしないはずはない」 この度の船旅はアドミラからの依頼だった。 チケットを手配したのもアドミラだ。 当然、彼はリュクレーヌがフランに依頼の事を伝えるものだと思っていた。 「でも、軍が表立っていくわけにはいかなかった……だから俺達に依頼が来たって訳だ」 「じゃあ、どうして教えてくれなかったんだよ?いつも、いつも……」 リュクレーヌはフランに依頼の事を伝えなかった。 共に闘う者として、どうして重大な事を隠されたのか、フランは不満を抱いていた。
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