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ドアノブが引かれ、ガチャリとドアは開く。
目の前には人だかりができていた。
リュクレーヌの目にまず入ったのは中年の女性だった。
「あぁ!やっと開いた。ルーナ探偵事務所のリュクレーヌさんですね」
「いかにも。僕が名探偵リュクレーヌ・モントディルーナです」
女性はリュクレーヌの名前を聞くと、救われたように目を輝かせる。
「よかった!本物よ!マスカ専門の探偵なんですよね?助けてください!」
「何故それを……助ける?」
話が読めなかった。
困惑するリュクレーヌにフランが助け舟を出す様に耳打ちをする。
「依頼って事かな?」
「……やっぱりファントムがまだ何かけしかけていたって事か」
依頼があるという事は、マスカが居るという事。
リュクレーヌの表情は険しくなる。
「あなた方は人間の皮を被っているマスカの正体を見破るらしいじゃないですか」
「はい。その通りですが」
「お願いします!この人がマスカかどうか調べてください!」
懇願するように女性は写真を取り出しリュクレーヌ達に見せる。
写真には、女性と同年代であろう眼鏡をかけた男性が写っていた。
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