9.ハーベストムーン

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「このように、可視化する事も出来る」 「えぇと……MA……S…」 「masque。仮面劇って意味だな。」 「これが、この銃にかけられている魔術だ」 仮面劇という意味の言葉が銃に魔術として刻まれていた。 「魔術自体はちゃんとしてるみたいだが……何が問題なんだ?ブラーチ」 「問題はここに刻まれていた、魔術が発動しないことだ」 「発動?」 「魔術というのは、いわばパスワードのようなもので、その言葉を唱えるとこの刻印が反応する」 「ふうん、masqueって言えば良いのか?」 「いや、人間の言語ではないだろう」 どうやら魔術は特別な言語の用だ。先ほどブラーチが唱えた呪文と同様に。 ブラーチはおもむろに白衣の懐から試験管を取り出す。中には薬液が入っていた。 「そうだな、例えば……ここに、私がファントム封印に使った魔酔がある」 「これにも魔術がかかっているの?」 「あぁ、試しに呪文を唱えてやる」 先ほどと同様に全く知らない言語をブラーチが唱える。すると次の瞬間、試験管は閃光を発した。
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