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「今のところ考えられるのは、術をかけた奴が傍にいて発動させている可能性だな」
「なるほど、だからこの銃にかけられた魔術の主を探しているって訳か」
「そうだ。フラン、この銃はいつ、どこで手に入れたものだ?」
改めて確認する。銃に魔術をかけた人物を特定するために。
「……どうして」
「ん?」
「どうして、今それを聞くんですか?」
フランは警戒するようにブラーチの方を見た。
ピリピリとした空気が漂う。
「確かにそうだな。今更って感じもする。何か理由があるんじゃないのか?」
リュクレーヌがフランに同調しつつ、ブラーチの本心を確かめようとした。
突然、焦るかのようにフランに質問をする理由を。
すると、暫くブラーチは黙り込む。何かしらの理由を言いにくそうにしていたが、ようやく口を開いた。
「……ファントムが、目を覚ました」
「!」
ブラーチの魔酔によって封印されて深い眠りに就いていたはずのファントム。
眠りは一ヶ月ほどのものだった。彼はアマラ軍の監獄で目を覚ました。
元々完全に封印する事の出来る魔術では無いから当然と言えば当然だが。
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