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しばし、沈黙が続く。ルーナエがファントムでは無かったという証拠は何もない。
今度はリュクレーヌがため息を吐いた。やれやれと言うような、深く大きなため息を。
「……やっぱりなぁ」
「リュクレーヌ?」
「あの銃、やっぱりルーナエのだったんだな。いや、そんな気はしてた」
「どうして」
「アイツ、ああいうデザイン好きだったんだよ」
「いや、デザイン!?」
根拠は意外なものだった。銃のデザインはルーナエの趣味だと。
たったそれだけであの銃に魔術を掛けた人物でルーナエだと判断するのか?とブラーチは問う。
「と言うのは半分冗談。状況的にあの時だろうなって言う気はしていたんだ。けど俺を撃ったせいで半信半疑だった」
ルーナエはマスカに殺されかけていた幼いフランに銃を託した。ルーナエが命の恩人だという事からその可能性は高いと考えていた。
だが、彼は「同じ顔の人物に会ったら殺せ」とフランに命じている。つまり、リュクレーヌの暗殺だ。
結局リュクレーヌは不死身となった。
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