9.ハーベストムーン

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しばし、沈黙が続く。ルーナエがファントムでは無かったという証拠は何もない。 今度はリュクレーヌがため息を吐いた。やれやれと言うような、深く大きなため息を。 「……やっぱりなぁ」 「リュクレーヌ?」 「あの銃、やっぱりルーナエのだったんだな。いや、そんな気はしてた」 「どうして」 「アイツ、ああいうデザイン好きだったんだよ」 「いや、デザイン!?」 根拠は意外なものだった。銃のデザインはルーナエの趣味だと。 たったそれだけであの銃に魔術を掛けた人物でルーナエだと判断するのか?とブラーチは問う。 「と言うのは半分冗談。状況的にあの時だろうなって言う気はしていたんだ。けど俺を撃ったせいで半信半疑だった」 ルーナエはマスカに殺されかけていた幼いフランに銃を託した。ルーナエが命の恩人だという事からその可能性は高いと考えていた。 だが、彼は「同じ顔の人物に会ったら殺せ」とフランに命じている。つまり、リュクレーヌの暗殺だ。 結局リュクレーヌは不死身となった。
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