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◆
暫くは無いと思っていた依頼が意外な形で転がり込んできた。
依頼というよりも、自ら志願して掴んだ仕事ではあるが。
「そうと決まれば聞き込みだな。行くぞ。フラン」
「あっ、待ってよ」
とはいえ、仕事の時間だ。リュクレーヌとフランは帽子を被ると、事務所のドアを開け、ロンドンの街へと繰り出した
家を出て、あてもなく歩く。二歩、三歩、フランはリュクレーヌの後を追うように小走りになった。
一体どこへ向かうのだろうか。心当たりは有るのだろうか。フランは単刀直入に尋ねた。
「聞き込みって言ってもどこに行くの?」
「そうだな……とりあえずいつも買い物に行く市場とか」
「市場?どうしてそんな所に」
「特に理由は無い。まずは街の人の声ってやつを集めるのさ」
「取材みたい……」
まるで世論調査。探偵ではなくマスコミのような仕事だとフランは感じた。
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