9.ハーベストムーン

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すぐ傍に、マスカが居るかもしれない。マスカと戦う能力を持たない一般人にとって、その恐怖は計り知れないだろう。 「アンタだって、サーカスの猛獣が街に放たれたなんてなれば怖いだろう!」 「なるほど。それはそれは、恐ろしいですね」 「っ……あぁそうか、アンタはマスカだから怖くはないだろうな!」 分かっている。そんな事は。リュクレーヌも、マスカが人を殺すなんて事は分かっていた。 哀し気な笑顔で同調すると、市場を後にした。 「リュクレーヌ!どうしてあんな煽るような言い方をしたの!」 道中、フランはリュクレーヌを叱責するように言う。 せっかく聞き込みに協力してくれたのに、口論になってしまった。 それでもリュクレーヌの表情は打って変わって明るいものになっていた。 「まぁまぁ、いいじゃん!さて!次行くぞ!」 「えぇ……?」 気を取り直して次の目的地を目指す。  
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