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すぐ傍に、マスカが居るかもしれない。マスカと戦う能力を持たない一般人にとって、その恐怖は計り知れないだろう。
「アンタだって、サーカスの猛獣が街に放たれたなんてなれば怖いだろう!」
「なるほど。それはそれは、恐ろしいですね」
「っ……あぁそうか、アンタはマスカだから怖くはないだろうな!」
分かっている。そんな事は。リュクレーヌも、マスカが人を殺すなんて事は分かっていた。
哀し気な笑顔で同調すると、市場を後にした。
「リュクレーヌ!どうしてあんな煽るような言い方をしたの!」
道中、フランはリュクレーヌを叱責するように言う。
せっかく聞き込みに協力してくれたのに、口論になってしまった。
それでもリュクレーヌの表情は打って変わって明るいものになっていた。
「まぁまぁ、いいじゃん!さて!次行くぞ!」
「えぇ……?」
気を取り直して次の目的地を目指す。
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