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一つ、二つ、古本が積み上げられる。ずしん、と重たい紙の束の音と共に砂埃が舞う。
「修繕作業を手伝ってくれって……」
「ま、有力な情報と引き換えな訳だし、フランは普段掃除してくれているしこれくらいどうってこと無いだろ?」
「いやいや、本の量も多すぎるし、あー、腰痛くなってきた」
「だらしねぇな。そんなに重いか?これ」
腰をたたくフランをよそにリュクレーヌは本の山をひょいと持ち上げる。
まるで、綿菓子を運ぶように軽々と。
「よく軽々と持てるよね」
「うん、まぁ俺マスカだしな」
「あぁ、そうだった……」
そういえば、とフランはハンディに気づく。
「おーい、今度はこっちだ。来てくれー」
「はーい。ほら、行くぞ」
「ひいいい……」
フランの悲鳴などお構いなしに、暫く書店での修繕作業が続く。
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